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さて、この記事では前編から引き続き、経営者の皆様がマイナンバーを管理していく上で知っておきたい番号法の条文、上位2つを書いていこうと思います。
第2位:特定個人情報の提供の制限
まず第19条です。
この19条は番号法のほかの条文からも引用されている箇所が多い※ので、番号法をしっかり読み込んでいる方からするとよく目にする条文です。
※第23条や第28条、第53条などで引用されています。
それでは第19条を紹介します。
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならない。
つまり下記に当てはまらない場合はマイナンバーなどの特定個人情報を提供しても、収集してもいけないという意味になるわけです。
ただこの後は1項から14項までと長く堅い表現が続きますので、少し要約します。
平たく要約させていただくと…税と社会保障の2分野に限って、事務処理で必要な場合は提供してもよいということが書いてあります。
その際に提供する相手が
1.税務署や年金事務所などの直接マイナンバーを利用する「個人番号利用実施者」なのか
2.民間企業のように直接はマイナンバーを扱わないが、1.の個人番号利用実施者の補助的な役割である「個人番号関係事務実施者」なのか
の違いが項を変えて記載されています。
ただ興味深いこととしては、マイナンバー法は「税・社会保障・災害対策」の3分野に限って2016年1月にスタートするわけですが、災害対策時のマイナンバーの取り扱いもこの19条に明記されています。
下記引用です。
十三 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合において、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難であるとき。
第1位:罰則
綺麗ごとは抜きにして、やはり取り扱う我々経営者として最も気になる条文は罰則ではないでしょうか。
罰則については第67条から第77条にかけて記載されていますが、ほとんどの経営者さんに必要な条文はごく一部です。
そのごく一部を列挙します。
・第73条ならびに第74条
前編の第3位にも書きましたが、番号法施行に併せて「特定個人情報保護委員会」という第三者機関ができました。
この委員会は個人番号などの特定個人情報が安全に管理されているか、効率的に活用されているかどうかを監督する機関ですが、「この会社怪しいな」と思われると立ち入り調査をされる可能性もあります。
本題に戻りますと、第73条ならびに74条には上記の特定個人情報保護委員会の命令に違反したり、調査に対して虚偽の報告、資料を提出したりすると罰則が科せられるということが書いてあります。
罰則内容ですが、委員会の命令に違反した場合は「2年以下の懲役または50万円以下の罰金」、委員会に対して虚偽の報告をしたり、資料を提出しない場合は「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
くれぐれも委員会の調査を軽く見ないようにお気をつけください。
・第77条
番号法の一番最後の条文です。
以下引用です。
法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第六十七条、第六十八条、第七十条又は第七十三条から第七十五条までの違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
すなわち、「社長が捕まったから会社は関係ないね」ということでは済まないという意味です。
したがって経営者だけでなく末端の社員に至るまで、マイナンバーの安全な取り扱いについて周知徹底を行うべきです。
ただ一度、しっかりと管理体制を整えてしまえば、その後はよほどのことがない限り心配する必要はありません。
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番外編:そのほかの罰則
・第67条から第69条まで
上記3条についてはマイナンバー等の特定個人情報を直接扱う人間※の漏洩についての罰則ですので、経営者の立場に立つとそこまで神経質になる必要はないような気がします。
※個人番号利用事務を行う税務署や年金事務所の職員、マイナンバーの通知を行う市区町村長、マイナンバーの生成を行う情報提供等事務を行う運営者と解せます。
・第70条および第71条
この2条は無視でいいと思います。
具体的には「個人番号を取得するために暴行したり、不正アクセスを行ってはいけない」(第70条)とか「業務上知りえた情報を職権濫用して個人番号を収集してはいけない」(第71条)など…もはや言語道断、誰がどう考えても懲役刑や罰金刑を食らうに値するという条文です。
したがって大多数の経営者さんは無視でいいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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